自転車☆妄想日記: 10月 2013

2013-10-31

Disk Brake Impression 2 - Shimano BR-M495

前回の続き。

今回取り上げるブレーキキャリパーもMTB用のメカディスク、Shimano BR-M495。ブレーキレバーも引き続き、RetroShift CX-Vを使用。ロード用のキャリパーではないので、購入の際はご注意を。

今回はテストとして、ほぼ3週間ほどの通勤と、200kmほどのロングライドで使った。ロングでは急勾配の下りもあったので、制動力のテストとしては十分と思われる。


Shimano BR-M495 (for V-Brake)

結果として、前回のHayes MX-4の際にもあった、シングルピストン・片面押しの構造上のネガはこのブレーキにも当てはまってしまった。

つまり、片面押しゆえに片減りが早く、制動力の低下が早いということだ。特に、押される側のパッドはワイヤー調節では解消されず、キャリパー側でクリアランスを調整しなければいけない。

また、シングルピストンの丸い所には何らかのモジュレーション機構が付いているらしく、ブレーキを握ってからの滑りがながく、なかなか効かないので下りでは左折車にぶつかりそうで少々危険だった。

本来、急制動時のタイヤロック防止で付いている機構だが、早く止まりたい場合は逆効果になってしまっている。もしかすると、そもそもこういう速度域での使用を想定していないのかもしれない(例えば、街乗りのMTB向け)。

また、キャリパーにワイヤーアジャスターの機構はついていないため、調整する場合はワイヤーを一度リリースするか、予めアウターワイヤーに自分でアジャスターをかましておく必要がある。勿論MTBで使用する場合はブレーキレバー側にアジャスターがあるのが普通なので、これはCXで使う場合のみの注意事項だ(もしかしたら、RetroShift CX-V以外ではあんまりないレアケースかもしれない)。


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ポジティブなポイントについて。まず、写真で見たとおり、マウント台座アダプターが付いているので、インターナショナルでもポストでも、どちらでも対応出来る。また、おそらくシマノ一番安いと思われるがローターも付属している。その上、ケーブルまで!つまり、ブレーキに関しては、オールインワンパッケージである。ブレーキレバーの引き量さえチェックしておけば、規格で迷う必要はないと言える。


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モジュレーション機能やこれらの付属品から総合して考えると、この製品は街乗り系のMTBに最初からついてる安くて止まれないブレーキをアップグレードしたい人をターゲットにしたものではないか?と思っている。つまり、峠を何度も昇り降りするロングライドや、長時間ノーメンテで走破するような使い方は向かない。



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残念ながら、今回の製品も安全という意味ではもうひとつ、という結果になってしまった。正直、モジュレーション機構を付けなければ、もっとカッチリ止まるのでないかと思ったが・・・。

それはともかく、次にブレーキは何を使うか思案したが、これがかなり難航した。一番最初に使うつもりだったCX用のBR-CX75は、早々にリコール。その上、某インプレでは「あんまり効かない」とはっきり書かれていた。

そもそもメカディスクの欠点もシングルピストンという構造が原因で、現状それしか見当たらないのだったら、どれも選んでも結局同じではないか?それともそれをカバーする技術があるのか?素直に油圧ディスクに行くしかないか、などと悶々としていた矢先、某CBNブログで、ダブルピストン・両面押しのメカディスクがつい最近リリースされたという記事を発見!

TRP Spyreである。

入手方法はTRPのサイトから直接購入するのが確実(というか、他のルートがない?)。すでにこのブレーキは入手、インストール済みなので、近い内にインプレしたいと思う。正直、現状CX用のメカディスクではベストかもしれない。

次回、TRP、またの名をテクトロ(笑)の汚名返上なるか、乞うご期待。




2013-10-29

Disk Brake Impression 1 - Hayes MX-4

最近、何本かロングライドをした結果、下りの際に止まれない感じだったので、いろいろディスクブレーキキャリパーを試している。フレームやホイールがどうとか言う前に、安全に止まれるだけの制動力があるかどうか、これが一番大事なことだと実感した。

そういったわけで、現在進行中のブレーキ検証を随時記録することにした。文章に起こすことで、自分の曖昧な部分もはっきりさせることが出来ると思う。


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今回は、そもそもの発端である一番最初につけていたブレーキ、Hayse MX-4。自分が所有しているのはこれの色違いの白。ブレーキレバーがRetroShift CX-V (Vブレーキの引き量)である関係上、ブレーキキャリパーもMTB用を選択した。

Hayes MX-4 Mecanical Disc Brake (for V-Brake)

このブレーキで当初は不満がなかったのだが、途中で幾つかのことに気づいた。それは・・・

長距離の下りだとパッドがすり減ってしまい、効きが極端に悪くなってしまう。

これは、シングルピストン・片面押しの構造上の問題である。押し付けられる側のパッドはローターの接触を避けるために、ギリギリ当たらない位置に調整するのだが、この位置からキャリパーの面までの幅が狭いので、割りと頻繁にブレーキパッドの調整が必要になった。平坦が多い、街乗り主体の場合はブレーキを使う頻度が低いので、気づきづらいかもしれない(実際、自分はロングライドに復帰してから気づいた)。

微妙なブレーキコントロールがしずらい。

これもシングルピストンの構造上、避けれないもののようである。ローターを片方から押し付けて、しならせて止めるわけだから、そもそもパッドとローターが平行ですらないので当然と言えば当然。この点、油圧ブレーキはダブルピストン・両面押しなのでこの弱点は克服されている。「ディスクブレーキはブレーキコントロールがしやすい」という情報があるが、これは油圧ディスクに限った話だ。


そして、意外なことに絶対的な制動力がそれほど強くない。

これは高速の下りを走るまで、気付かなかった点だ。タイヤが負けるほど制動力が強いというイメージだったが、高速時にはパッドの上をローターが滑るような感覚が強かった。おそらくこれも、シングルピストンの構造上の問題だろう。押される側のパッドが減れば減るほど、その分押される幅も増え、結果ローターの歪みが強くなってしまう。これでは制動力も落ちてしまっても不思議ではない。

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ネガティブなポイントが並んでしまったが、勿論ポジティブなポイントもある。リムがすり減らないパッドの調整自体はすごく簡単等々、ディスクブレーキ由来のものだ。ネガティブなポイントを払拭出来れば、あえてキャリパーやVブレーキに戻る必要もないように思っている。そもそも、今のバイクを運用していこうと思ったら、キャリパー台座もVブレーキ台座もないのだから、突っ走るしかない(笑)

ネガティブなポイントの原因は、シングルピストンであることのようなので、真っ先にそこをケアしようかと思ったが、念のために他社のシングルピストンのものを試してから次に進みたいと思う。次回はシマノのBR-M495をインプレする。

あまり期待はしないで待っていてほしい。

2013-10-04

最近のロングライドあれこれ

前回の投稿で、レース復帰についてゴニョゴニョいってみたが、最終的に復帰は来年に持ち越すことにした。中途半端ではなく、今度は完治させる、そう決めたからだ。

とはいえ、レースには出れずとも、強度を下げて走ることはできるので、復帰までは旅がてら、減量がてら、週末には積極的にロングライドに行くことにした。また、春先にはどこかしらのキャノンボールに挑戦したい、という目標も設定した(キャノンボールについては、これを参照のこと)。キャノンボールのコースの下見を兼ねたライドなんていうのもいい。

そういうわけで、この9月の週末は積極的にロングライドを行った。目的は前述の通りだが、それに何点か加えるとこんなところになる。

  • レース復帰に備えての減量。
  • キャノンボールのルートの下見。
  • ロングライドの装備のノウハウの蓄積(日帰り、宿泊、弾丸ツアー)。
  • 垂れないための補給の確立。
  • ペダリング技術の向上。
  • 機材のテスト。
  • 歴史に関連する史跡や土地を見つけて感慨に耽る。
  • 寝ないで走る技術を身につける、あるいは、道端で寝る技術。

まあ、至って普通の目的なので、いまさら列挙するまでもなかったかも。



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9月に行った主なロングライドは以下の三回。どれもヘビーだったが、得るものも多かった。

  1. 一泊ライド
    自宅(東京都大田区)→高尾→甲府(一泊)→本栖湖→山中湖→小田原→自宅。
  2. 徹夜ライド
    自宅(東京都大田区)→ヤビツ峠→道志→本栖湖→富士宮→箱根→自宅。
  3. 日帰りライド
    自宅(東京都大田区)→日本橋→高崎→軽井沢→輪行で自宅。
いろいろなことがあったので、箇条書きでまとめてみたい。

  • 甲府・石和の日帰り温泉「みかさの湯」は真っ暗なぶどう畑の真ん中にあって、面食らった。しかし、夜の時間帯だと、東京の銭湯なみ(500円)では入れてお得。
  • 身延から本栖湖に出る「本栖みち」は、10キロ超の本格的なヒルクライムだった。甘く見積もっていたので、途中で補給が切れてしまった。道の脇に水が湧いているのを見つけたので飲もうとして、よく見るとそれが農業用水だったこと気付き思いとどまった。
  • 夜の時間帯の「道志みち」さぞ静まり返っているだろうと予測していたが、実はキャンプ場が無数にあり、むしろ森の中のキャンプの明かりが綺麗だった。それどころか、山中なのにバーベキューの肉を焼く匂いが漂い、なにかたまらない気持ちになった。
  • 夜の富士パノラマライン走行中、鹿の尻と思しきものが森のなかに消えていくのを見かけて、ちょっと感動した。
  • 田子の浦のセブン-イレブンで、浜松から箱根までのマラソンを挑戦している学生さんに遭遇。お互い、夜中のため補給も持ち金も切れて、ぐったりしたまま、セブン-イレブンの軒下で話した。
  • 峠の釜飯やさんのドライブインでそばを頼んだら、鳥のささみが入っていてテンションがあがった。
  • ブルベライダーのブログを参考にして、塩アメを定期的に舐めていたら、垂れずに走りきれた。自分内マストアイテムに認定。
  • 夜の碓氷峠で、また鹿の尻を見つける。
  • 輪行で初めて新幹線を使った。高い。自由席だと座れない。ただし、自転車が丁度収納が出来る棚が連結部分の上にあったので、これに関しては悩む必要はない。
  • モンベルのフロントバッグが最強と知る(これで防水だったら、と悔やまれてならない)。

週一の週末のロングに加えて、毎日の自転車通勤で、体的にはいわゆる「コンディションが上がってきている」状態になってきた。正直、こんな感覚は初めてで驚いている。

ただし、強度の低いペダリングを続けているので、いざという時に強く踏めなくなっている。今は腰の関係上仕方ないが、治療の進行具合に注意して適度にインターバルを加えることも必要になってきそうだ。

当面は腰を気遣いながら走るしかないので、強度が低くても問題はない。逆にストレスをためないよう、いろいろなセルフ企画を盛り込んで、楽しく走っていくつもりだ。歴史ライド、なんても良さそうである(城・古戦場巡りとか)



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ロングライドは機材のテストにうってつけの機会である。ディスクブレーキや中華カーボンホイール(リムは届いたのであとはシマノハブのリリース待ち)など、折があったらこれらの話も記録しておこうと思う。乞うご期待。