自転車☆妄想日記: 9月 2012

2012-09-30

ディスクブレーキ化, disk brake mod (2)

今回はリアディスクブレーキ化について。

ディスク台座取り付け


ディスク台座をフレームにどうにかして付けなければリアのディスク化は実現出来ない。考えられる方法は以下の通り。

  1. 実は気づかないだけで、最初からフレームにディスク台座が付いていた!
  2. A2Z ユニバーサルディスクマウントを取り付ける。
  3. ディスク台座を溶接する。
そんなことあるのか?と思ってしまうかもしれない1のケース。クロスバイクの場合、時々台座が付いてるフレームがあったりする(友人のTrekのはそうだった)。

2のケース。これはディスク化を検索すると、必ず引っかかってくるアイテムだ。しかし現実的には、フレームに取り付け出来ないことの方が多いだろう(エンド形状が平面のものにしか取り付けらない)。逆にこの方法がOKなら、一番手間が掛からない。

そうなると最後の選択肢、3。まず、フレームが金属でないと当然溶接は出来ないから、カーボンは不可。金属でもチタンなんかは溶接してくれる業者がいるかわからない。アルミ・クロモリなら、溶接してくれる業者さんは結構いるので問題ない。大体料金は2-3万円位が相場のようだ。自転車をバラしてフレームだけ郵送すればいい(ただし、溶接部分の塗装に関しては自分で何とかしなければいけないかもしれない)。

そんなわけで、予算がある程度あればディスク台座後付も可能。しかし、ここでもう一つ問題がある。

リアホイールの交換

勿論、ホイールにローターを取り付けないといけない為、ホイールは交換することになるだろう。その際、注意しないといけない点がホイールのハブの軸長だ。

例えばディスクに対応した完組ホイールなら、MTBの29erのもの、あるいは最近出始めたシクロクロス用のものは流通している。しかしここに問題がある。

そういったものの殆どは軸長が135mmになっている。しかし、ロードはエンド幅が130mmであり対応していないのだ(クロスバイクでエンド幅が135mmの人は問題ないけど)。

完組みが難しいなら、手組みホイールはどうか?やはりディスクのリアハブはMTB用の軸長135mmのものが殆どで130mmのハブは殆どない。White Industriesが出してはいるが、入手性が低い。

ではなんとかして、流通量が少ないパーツを入手しなければいけないのだろうか?実は他の手が存在する。

MTB用のディスクのハブの軸とナットをロード用のものに変えて130mmにコンバートしてしまう、という手だ。以下のサイトでは、130mmのものを135mmに変えるという方法を紹介しているが、この場合はその手順のまったく逆をやればいい。その際、軸とナットはロードのものを分解するか、シマノのスモールパーツを買うかして入手すればいい。シマノのスモールパーツは品番で検索すれば、通販で入手できるだろう。

クロスバイクにロードバイクのホイールを使う方法

リアディスク化まとめ

そんな訳で、リアのディスク化は結構コストが掛かる上、ホイール周りのテクニックと工具(スプロケット交換やハブの分解・玉当たり調整等)が必要だ。とはいえ、ディスク台座はプロに溶接してもらうし、その後の塗装だって、プロに頼めばいい、この際、全塗装変えてフレームを蘇らせてしまってもいいかもしれない。なにしろ、待っているだけですばらしい状態で返ってくる。それで、ディスク化という意味では十分ではないだろうか?

・・・・・・

いや、ちょっと待ってくれ。そんな内容だったら、特にブログに書く必要もない。それに、由緒正しいDYIとは言えない(かも?)。

そこで、僕は自分で何とか溶接できないだろうか?と考え始めた。

DYI溶接について考えてみた

escapeはアルミフレームである。アルミを溶接する方法でメジャーなのはTIG溶接だ。ところがTIG溶接は機材で金が掛かりすぎてDYIレベルでは無理、というか、そこまでやるならそれで商売したほうがいい。正直、ここまで調べて断念しかけていた。だが「アルミのロウ付け」という方法を見つけて、一気にDYIが現実味を帯びてきた。

ロウ付けなら、ガスバーナー+アルミロウ+フラックス+その他諸々5000円ほどの予算で済む。高い機材もいらない。

実際、クロモリのフレームに後付けしてる業者さんは、大体ロウ付けである、そもそも、自転車自体ロウ付けでやってるではないか。ただし、アルミフレームがロウ付けされているのを見たことはないので、アルミの場合は強度に不安があるかも(勿論、作業性や最終的なコストの観点でTIG溶接が選択されているかもしれないので、なんともいえない)。

溶接の手段はロウ付けでやってみよう。しかし、ちゃんとセンターが出ている場所に、適切に溶接することは出来るだろうか?どんな治具が必要なのか?どんな手順でやるべきか?そもそも、台座の部分だけどこかに売っているのだろうか・・・

そこまで考えて突然、閃いた。台座の部分だけ?それは確かに売っている。家の隅で眠っているA2Z ユニバーサルディスクマウント!これを溶接してしまえばいいのだ。

エンド形状の問題は、エンドとシートステイの接合部のビード痕が盛り上がっており平面になっていないという点にあるが、思い切って、このビード痕を削って平面を出してしまう。これは強度が下がってしまうので良くないのだが、このケースではディスクマウントを溶接するので補強効果に期待が出来る。その上、このマウントは元々センターが出るように設計されたパーツである。理論的には問題がなさそうだ・・・。

そんなわけで、次回以降はDYIでのディスク台座溶接についてレポートする。ただし、現時点ではこの方法が成功するかどうかはわかっていない。最初はアルミの端材を使ってトレーニングから開始することになると思うが、さて、どんな結末になるやら、乞うご期待。




2012-09-23

ディスクブレーキ化, disk brake mod (1)

2010年のシクロクロスのUCI規定改定でディスクブレーキが解禁され、今年になってようやく各社はディスク対応のシクロクロスフレームをリリース出来る体制を整えたようだ。

このディスク化の流れは確実にシクロクロスからロードに向かっており、コルナゴからは既にディスクロードがリリースされている・・・・。

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という、概論は置いておいて、要するに自分のバイクをディスクブレーキにしたい!という欲求がもう止まらないのです。そして既に、escapeのフロント側のディスクブレーキ化は完了。残るはリアなんだけど・・・・というのが現在地である。

まずはリアのディスク化まずはフロントのディスク化についてまとめてみる。

フロントのディスク化

フォーク

これは意外に簡単、フロントフォークをディスク台座付のものに交換すればいい。安価で済ませたい場合はアルミのフォーク(1万弱)、ちょっと振動吸収が気になるのであれば、カーボンのフォークを使う(2、3万位だろうか?)。

ブレーキ本体

ブレーキ本体は、安価かつ導入が簡単なものがいいなら、ワイヤー式のメカニカルディスクがいい。どうしても油圧ブレーキ!という場合は、最近リリースされたワイヤー引きを油圧に変換する機構がついているディスクブレーキを使う(TRPのパラボックス等)。こちらはデメリットもあるのでしっかり調べてから導入したほうがいいと思う。

メカニカルディスクで話を進める。ディスクブレーキは引き量の規格は二つあり、一つはVブレーキの引き量に対応したもの、もう一つはキャリパーやカンチなどロードブレーキに対応したものがある。

ロードバイクをディスク化するのであれば、後者を選ぶ。ただし、こちらは選択肢が少なく、AvidのBB5か、ShimanoのBR-R505が入手しやすい。Vブレーキ対応ものは幾つもあるので問題はないだろう(ちなみに自分の場合はVブレーキの引き量だったので、こちらの規格のものを使った)。

もうひとつ、ブレーキの選択時にチェックが必要なのは、フロントフォークのディスク台座がインターナショナル台座か、ポストマウント台座かと云う点だ。

ディスクローターはブレーキを買う時についてくる場合が多いが、付属していなければ単体で買う。この際、ローターの径は注意すること。

ホイール

最後はホイールをディスク対応のものに変える必要がある。フロントに関してはエンド幅がMTBとロードは同じなので選択肢は多い。MTBのディスクハブで手組みホイールを組む(或いはショップに依頼する)のもいいし、シクロクロス用の完組みホイールを買ってもいい。MTBの29erのホイールも使うことが出来る(ただし、タイヤ幅については注意が必要)。

ディスクハブのローター取り付け方式にも、センターロック式と6穴ボルト式の二つの規格があるので対応したものを選択する。


ディスクブレーキの規格についてまとめると、以下の通り。

仕様箇所 規格1 規格2
ブレーキの引き量 Vブレーキ対応 ロード対応(キャリパー・カンチ)
ブレーキ台座 インターナショナル台座 ポストマウント台座
ローター取り付け方式 センターロック 6穴ボルト
ローター径 140mm,160mm,170mm,180mm,203mm (160mmが多い)

フォークを取り替えた経験のある人にはそれほど難しい作業ではない。


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さて、それでは問題のリアのディスク化について。こちらはフォークと違って取り替えるわけにはいかない。そうなるとどうすればいいのか?

なんとかしてフレームにディスク台座を取り付ける必要があるのだが、これについては色々な方法がある。長くなるので、次回書いていくことにする。乞うご期待。



2012-09-19

Bike Impression - Cannondale CAAD8 7 Sora

自転車の乗り味の違いが、気になり始めた年頃・・・。

そう、秋になると違いが気になってしようがない、かどうかは分からないが。次のバイクを選ぶ為に色々な種類のバイクを乗っておきたい、と思っている。鉄・チタン・アルミ・カーボン、何でもきやがれ(来ないから行く事にした)。

そんなわけで、近所の某大手ショップYで表題のCAAD8を試乗してきた。試乗時間はたったの30分だったが、多摩川の河川敷で本気で走ってみた(普段は危ないから絶対やらないけど)。


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インプレの前に、自分のCannondaleに対する思いを語っておきたい。

自分の短い自転車歴で所有した(している)バイクは3台。その内一台はカーボンで、買って半年もしない内に盗まれてしまった。他の二台は二つともアルミフレームである。

つまり、自分の自転車歴の殆どはアルミフレームと共に過ごしたと言っても過言ではない。そのアルミフレームの最高峰といえば、言わずとしれた、Cannondaleなのである。アルミを超えたアルミ、アルミの前にアルミ無く、アルミの後にアルミなし。「アルミバイクを買うなら、Cannondaleを買っとけば間違いないよ!」と仰るプロのレビューア様、の群れ、群れ、群れ。

さして自転車歴が長くも無いバイク初心者の自分が、Cannondaleに憧憬を抱くようになるのは、ごく自然な話だったろう・・・。

えー、要するに、エントリーモデルとはいえ、「Cannondaleに手抜き無し!(決め付け)」と、すごく期待していたのだった。

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長くなるので、インプレに移ることにする。
正直ポジションが出ていないので、立ち漕ぎメインで走った(三分の一位は立ち漕ぎだった)。ポジションが出ていないというのはインプレにおいてはご法度なので、その点を考慮してインプレを読んでいただきたい。

快適性

フロントフォークはカーボン製でよく出来ている。微振動を低減し、大きな段差はしっかり角を丸くしている。時間が無かったので、急な下りでどれだけ安全に曲がれるか試せなかったのは残念だった。

リアもアルミの乗り味というより、カーボンに近い。よく振動を殺していた。アルミでこんなにやれるのか、とちょっと驚く。さすがCannondale。初めてロードバイクに乗った人は、「イメージと違うじゃん。」と思うに違いない。

快適性の向上に、25c(あるいは28cか?)のタイヤは一役買っているだろう。

剛性

強く踏むとボヤっとした踏み応え返ってくる。要するに、反応が悪い。かといって、しなるわけでもない。正直、Escapeの方がパイプが太くて硬い分、反応性は高い。

この踏み応えの悪さが、快適性のポジティブな面を消してしまっていると思う。

こうなると、タイヤの太さもむしろ細くしたほうがいいのではないか?と思ってしまった。

操作性

ハンドリングは可もなく、不可もなく、クイックでもなく、ダルいわけでもない。
それとSoraのSTIを初めて使ったが、ちょっと作りがチープだと感じてしまった。そして、シフトアップのスイッチがかなり押しにくい。

総評(3)

初めてロードバイクを買う人が期待してるのは、普通の自転車ではありえない速度が出せるという「爽快感」だと思う。のんびりポタリングしたい人は、まずクロスバイクかMTB(あるいはクロモリのロードか)を買うことの方が多いだろう。それを考えると、少々の快適性を犠牲にしてでも、もう少しエッジのきいた味付けにした方が良いのではないだろうか?

個人的には、アルミではありえない快適性(カーボンや他の金属にはかなわないまでも)とアルミならではシャープな乗り味の両立を期待していただけに、強く踏み込んだ時のもっさり感は残念だった。

パーツ交換を視野に入れるとすれば、タイヤを23cの幅のものに変更すれば、もっとエッジの効いた乗り味になるだろう。ちょっと値が張るが、チューブラーにホイールをアップグレードして空気圧を低めにセッティングすれば、快適性も反応性も向上するだろう。

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今回のCAAD8に関しては手厳しい意見になってしまった。とはいえ、Cannondaleはデザインやラインナップも自分の好みにマッチしているメーカーなので期待が大きく、評価が厳しくなった面もある。

もしCAAD10に乗る機会があったら、是非比較してインプレしたいと思う。

2012-09-18

Bike Spec 2 - Giant Escape R3 (Impression)

さて、改造してディスク化したEscapeR3のインプレ編。
今回の改造で幾つかポジティブとネガティブがあったので、それを書いていきたい。

ポジティブな点

そもそも、Escapeは非常に硬く、振動吸収性が高くないフレームだ。そういった意味で、こういったネガティブな面を打ち消す方向と、より伸ばしていく方向があると思う(それを度外視して、カッコ良さで選んでしまうのもアリ)。

フォークについて

そもそもシクロクロス(以下CX)用のタイヤに交換するのはタイヤが太くなる(700×23C→700×32C)為、振動吸収性が高まる上に未舗装路にもガンガン入っていけるというメリットがある。

その上、今回のフロントディスク化に伴い、純正のクロモリフォークからカーボンディスクフォークに変えた為、ハンドルから感じる微振動はスポイルされ、如何にもカーボン、という乗り味になった。ハンドルにはあまり体重をかけるなといっても、実際に腕は足に比べて繊細なものだし、振動をかなり感じているようだ。

また、同じフレームでフォークを変えると言う状況はあまりないので、その違いをハッキリ感じることが出来たのは収穫だった。

ディスクブレーキについて

ディスクブレーキ化したのは、成功だった。改造前は油圧ディスクではなくメカニカルディスクは実際どうなのか?と思っていたが、アッセンブル編で書いたように制動力のコントロール性が格段に上がるのは大きなメリットだ。重量の問題が解消されたら、ロードでも積極的に使ってみたいと思っている。

レトロシフトについて

レトロシフトは以前から使ってみたかったパーツで、これを機にシフトはフリクション(無段階変速)からインデックス(段階変速)に変更した。まるでインデックス出始めの人が味わった(であろう)感動を覚えたw これを考えついたシマノは偉大だね。未舗装路ではシフトミスが発生すると非常に厳しいので、フリクションよりインデックスの方がいいだろう。

それはともかく、レトロシフト自体の感想について、書いておこう。

  • ブレーキが軽い。個人的には、ハンドルを振る時に重いのは慣性がついてしまうので好みではないので好感触。
  • Wレバーは思ったより、ブレーキング時に邪魔にならない。
  • 一気に変速が可能。一番上から一番下まで変速出来るのはレトロシフト(或いはWレバー)だけ?と思われる。あんまり使うときは無いけれど。
  • 変速時はいい感じで変速できる。但し、一番使用頻度が高いと思われる中盤のギアは指を伸ばさない変速できない。慣れが必要か?
  • 下ハンを持っている時はシフトチェンジが出来ない。

ネガティブな点

タイヤ変更について

今回、タイヤを替えてみた。以前使っていたのはパナレーサーのCG-CXで、これはオールラウンドに使えて舗装道路も未舗装道路も良く走るタイヤだった。それに対して新しいタイヤは、マキシスのマッドレスラー。泥道には強いが、舗装路はいまいちな出来だ。泥のレース対策でこのタイヤをチョイスしたが、普段使いや草地や砂利道ではそれほど威力を発揮しないようだ。

ホイールについて

ディスク用にDTスイスのセミディープ(リム高3cmほど)なアルミリムで新しいホイールを組んでみたが、これも剛性が高すぎで快適性が少し損なわれてしまった。こちらも泥対策でリム高を選んだのだが、それ以外の部分でネガティブな面が出すぎてしまったようだ。それほどスポークテンションを上げた気はないが、どうしてもリムが高い分、自然と剛性が高くなってしまうようだ。

総評(+1)

メリット・デメリットでちょっとだけメリットが先行したか、という印象。ブレーキ性能やシフト性能という機能的な性能はアップしたが、反面、快適性や反応性はやや下がった。プラスマイナス5点で評価するなら、プラス1点といったところだろうか?ちなみに、スコアリングの基準は大体こんな感じ。

+5 もう別物レベルに良くなった。
+2.5 機能が向上した。
+-0 プラマイゼロ
-2.5 劣化してしまった・・・
-5 もう屑鉄レベルに劣化してしまった・・・


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今は普段使いや川原での走行のみの段階なので、レースで実走したら大きくイメージが変わってくるかも知れない。そういうわけで、レースで使ったら、また再度インプレを行ってみたいと思う。腰を故障しているので、ちょっと先になってしまうが、期待せずに待っていてほしい。

2012-09-17

Bike Spec 2 - Giant Escape R3 (Assemble 2nd)

次回は現時点のインプレ、とか書いておきながら、今回はもうちょっとescapeの改造の経緯について書いておきたいと思う。

escapeの改造については既にたくさんのブログで語られており今更新しいことはないが、これだけ違う方向性で改造され続けたケースも珍しいと思うので、参考までに書いておくことしようと思う。

では、時期毎にまとめて書いていくことにする。



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●第1期・ドロップハンドル化

自分の場合、買ってすぐにドロップハンドル化したくなってしまったので、早速escapeのwiki等を読み漁ってドロップハンドルに改造した。

ドロハン化の場合、ブレーキがキモで、選択肢はざっくり以下のものがあると思う。

  1. ドロップハンドル用ブレーキレバー(STI含む)を導入して、カンチブレーキ
  2. ドロップハンドル用ブレーキレバー(STI含む)を導入して、ショートVブレーキ
  3. ドロップハンドル用ブレーキレバー(STI含む)を導入して、トラベルエージェントで引き量を調整して、Vブレーキ
  4. ドロップハンドル用Vブレーキレバーを導入して、Vブレーキ
自分の場合、4の方向で改造を行った。この場合、シフターはWレバーかバーエンドシフターのどちらか選ぶことになるが、自分の場合はバーエンドシフター(フリクション)を選択した。これは、リアディレイラーを自由に変更出来るようにするためだった。実際にこの後、ディレイラーは純正のSramから、Deore、105と変更していった。

ドロップハンドル用Vブレーキレバーは、多くはないがシクロクロス用としてリリースされていたようだ。
ダイアコンペ・テクトロ・ケーンクリーク等から販売されているが、現時点ではテクトロのものが入手しやすいだろう。ちなみに、改造当時はテクトロが手に入らなかった為ケーンクリークのものを買ったが、レバーのカバー以外は全く同じ製品だった為、テクトロがOEMだったと思われる(そしてケンクリの方は異常に高かった!)。

この時期に、手元以外のコンポ、ディレイラーやクランク等は105に順次変更していき、最終的には10S化を果たした。また、ホイールの手組みにも手を出しはじめて、Mavic Open Pro + Ultegra Hubで組んだホイールにリプレイスしている。

乗り味としては、硬い、の一言に尽きる。フォークもクロモリの割には衝撃を吸収することはなく、バックの三角形は路面の凹凸に忠実に跳ねる。とはいえ、手組みホイール導入以後は多少振動は緩和され、手組みホイールの良さを知ったのもこの頃だった。



●第2期・シクロクロス化

ポジションがアップライトにならざるを得ないなど、クロスバイクのドロップ化は結局ロードとして中途半端な結果しか得られないと悟った自分は、クロスバイクの購入一年後にロードバイクを新たに購入した。

それがFeltのF1だった。このフレームはカーボン素材特有の振動吸収性はあったものの、非常に硬いスプリンター向きのフレームだった。流用できるパーツはほぼこちらに回し、一旦escapeは分解されることになる。

さて、ロードは手に入ったし、このescapeはどうしようか?そう思った時にめぐり合ったのが以下のサイトである。




そうか、シクロクロスっていう手があったか!

escapeのシクロクロス化は非常に簡単である。タイヤをシクロクロス用のブロックタイヤに変えるだけでいいのだ。リアはMTBディレイラーを使い、フロントはディレイラーなし、タイヤはシクロクロス。現在のスタイルの基本になったのはこの時期だ。

しかし、FeltのF1は半年ほどで盗まれてしまい、レースの際はescapeにスリックタイヤを履かせて出走するといった運用を余儀なくされた時期でもある。まあJCRCでよく使う修善寺CSCや群馬CSCはアップダウンが多いので、それほど不利ではないけど。


●第3期・ディスクブレーキ化

ディスクブレーキ化の動機は前回に書いたが、それだけが動機ではなく、ディスクブレーキについて知っておきたかったというのがある。個人的に、今後はスポーツ自転車はおおよそディスク化していくだろうと思っている。

ディスク化のメリットはいろいろな場所で書かれているが、もう一度整理してみたい。

  • 制動力の向上
  • 雨・雪・路面状態の影響を受けにくい(タイヤより高い位置にあるため)
  • リムの形状を自由に設計できる(リムをブレーキで抑える必要がなくなるため)
  • (油圧に限り)少ない力で制動力を得られる
一般的に云われているのはこんな所だろうか?それに加えて、自分は以下のメリットを感じている。
  • 組み付け・調整が他のブレーキより簡単
  • 急制動がしやすい
組み付け・調整については今回導入したメカニカルディスク(ワイヤー式)に限ってのことだが、非常に簡単だ。台座に取り付けた後の、センター出しのやり方は以下の通り。
  1. ポストマウント取り付けナットを緩める
  2. ブレーキレバーを引いたまま、上記のナットを締める。
  3. 何度かブレーキレバーを引いて、キャリパーのセンターが出ているか確かめる。
これだけである。正直、調整のテクニックは一切いらない。しっかりねじを締められれば問題はないのだ。それに比べて、キャリパーにせよ、Vブレーキにせよ、パッドの位置の調整だとか、左右のクリアランスの調整やワイヤーの取り回しに無理が無いか?だとか、ある程度の経験が必要になるがディスクに関してはその一切から開放される。

インターナショナル台座のみ対応のディスクキャリパーはセンター調整が面倒だが、最近のものはポストマウント台座と両対応のものが多く、これであれば調整に迷うことは殆ど無いはずだ。詳しい話は是非ディスク台座の規格について検索して調べてほしい。


もう一点の、急制動について。

ディスクの場合、すこしずつブレーキしていくと、その強弱に従って忠実に制動力が加減されていく。いわゆる「じんわりブレーキを握りこんでいく」というブレーキングがやりやすいのだ。それに対して、キャリパーやVブレーキだと少しずつ制動力を加減していくのがディスクに比べて難しい。スピードコントロールに関してはディスクの方が優れているというのが自分の結論である。そしてその扱いやすさの向上は事故発生率の低減に直結しているので、個人的にはもっとディスク化の方向に向かってほしいと思っている。

ディスク化のネガティブな面については重量があるが、これも将来的に軽量化されていくだろう。ローターの径の小さくすることによってキャリパーの大きさも小型化されるだろうし、そもそも違う素材を使っていくという手もある。UCIのルールでマスドロードもディスクブレーキが許可されるかどうかがキーになるだろう。


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さて、ディスクブレーキの概論はともかく。escapeのディスク化について。

フロントに関しては、ディスク台座付のフォークに取り替える必要がある。今回のケースでは、台座付カーボンフォークを使ったが、安価に済ませようと思ったら、台座付のアルミフォーク(おおよそ1万円以下)もあるので思ったよりもにコストは掛からない。シクロクロスフォークのカテゴリでは選択肢は少ないが、MTBで29'対応のリジッドフォークまで含めれば選択肢には困らないだろう。

また、Vブレーキレバー用のメカニカルディスクはラインナップが豊富で問題ない。但しSTIでドロップ化した方はキャリパーブレーキの引き量に対応したものを選ぶ必要があり、選択肢が狭いので注意すべきだろう(Avid、シマノに対応した製品がある)。ちなみに、昨今のディスクシクロクロスの完成車はAvidのメカディスクの独壇場である。

問題はリアのディスク化である。これを実現しようとすると、コストが高くついてしまう。ポン付けのディスク台座(A2Z ユニバーサルディスクマウント)も存在するが、エンド形状の都合上、escapeには取り付けることが出来ない(実際に確認済みw)。

そうなると、溶接でディスク台座を後付けするしかない。これも閾が高くて、アルミフレームに台座を溶接してくれる業者さんは数えるほどしかいない。溶接代はおおよそ2-4万ほど、その上溶接した箇所は塗装を剥がさないといけないので、その部分だけ再塗装をする必要がある。等々・・・

そういったわけで、さすがに自分もリアのディスク化は手を出していない。将来的にいい方法が浮かんだらやるかも知れないが・・・(例えば、アルミのロウ付けで強度がでるなら自分でやるかも知れない)。


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後半はディスクブレーキで紙幅を費やしてしまった。ただ、escapeの改造でディスクブレーキについて書いてるブログも少ないのでそれも良いかと思っている。金銭的に余裕が出来たら、リアのディスク化もやるかもしれないので期待しないで待っていてほしいw

それはともかく、escapeの改造もシクロクロス方向で固まりつつあり、これからはこの方向で熟成していくだろう。そして、最近は本格的にシクロクロスのレースにも参戦し始めているので、新しいフレームを買いそうな勢いだ。そうなったら、今度はディスクブレーキ+シングルスピードっていうのも面白いかもしれない。


次回こそ、インプレ編をやる予定。

2012-09-14

Bike Spec 2 - Giant Escape R3 (Assemble)

スペック公開第二弾。パーツ編。

今度はGiantのEscape R3である。出会いは3年前ほどになる。そこから一気に自転車に傾倒することになった。今では改造しすぎてフレーム以外はまるで別物になってしまったが、今でも普段の脚+シクロクロス用として走り倒している。つい半年前は、JCRCのレースもこれで参戦していたと思うと感慨深い(Vブレーキなんて自分だけだったろうな・・・)。


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●Escape R3について

スポーツ車の入門としてはもっともメジャーなEscape。今から思うとコスパが高いかどうか不明だが、5万円でソコソコ走れるバイクとしては悪い選択ではなかったと思う。

但し、買って2、3ヶ月もしない内にドロップハンドルのバイクが欲しくなりドロハン化。この辺りの流れは「クロスバイクを買うと結局ロードが欲しくなるから、最初からロード買っとけ。」という向きからするとソレ見たことか、の展開だった。一年後に結局Feltのカーボンを買ってしまい(そして盗まれてしまったw)、普通ならそのままお蔵入りの可能性もあったが、何を思ったかシクロクロス化してお陰で今も乗り続けることになった。

さて、そんなシクロクロス化されたEscape R3の現在のスペックは以下の通り。

●Escape R3 spec

  • Escape R3 Aluminium Frame XS Size(top tube 525mm)
  • Otake Disk Carbon Fork
  • Deda Quattoro Stem(100mm)
  • Deda RHM01 Compact handle 
  • Retro Shift CXV (right) + Shimano Sora SL-R400(only rear shift) 
  • Cane Creek DropV Brake (left)
  • Front Brake BR-M495
  • Rear Brake Deore V 
  • Sugino RD Messenger Crank  + chain ring(50/40)
  • Rear Derailer Alivio 8S
  • Sprocket 8S (11-32)
  • Shimano Chain 8S
  • Dixna saddle (?)
  • Front wheel (DT Swiss rim 32H + SLX Disk Hub + DT Champion spoke)
  • Rear wheel (Ambrossio excursion rim 32H + Tiagra Hub +   DT Champion spoke)
右左、前後で構成が違うのでよくわからない。一つ一つ説明しましょう。

(1)ブレーキ
ブレーキは、フロントはメカニカルディスクブレーキ、リアはVブレーキである。デフォルトのescapeのブレーキはショートVだが、それがVブレーキになり、今はフロントのみディスク化した。

その際、デフォのクロモリフォークからカーボンディスクフォークに変えたが、ディスクキャリパーやローターの重さを考えると、重量的にはトントンと言ったところか?この改造は、セルフディスカバリー王滝仕様として改造したが、残念なことに腰の状態が悪化した為DNS、ディスクのポテンシャルも試せず、単なる楽しい工作となってしまった。ただ、普段乗りでもディスク化の意味は大きいと思っている。詳しくはインプレ編に書くつもりだ。

この為、ホイールは前ディスクハブ、後ろは普通ハブになっている。

(2)ブレーキレバー+シフター
右ブレーキレバーは今(一部の)シクロクロス乗りの間で話題のレトロシフトに、8SのWレバーを付けたもの。左側はケンクリのVブレーキが引けるドロップブレーキ「DropV」(そのまんまw)である。基本的にリアのシフターしか使わない為に、シフターは一つという構成になっている。

それまではバーエンドにフリクションのシフターを付けていたため、Wレバーのインデックスのシフトフィールにちょっと感動した。

ちなみに、二つのブレーキレバーはOEMの供給元が(おそらく)テクトロで、グリップカバー以外は同じ製品の為、全く違和感なく収まっている(笑)

(3)クランク
フロントディレイラーはついていないしシフターもないが、二枚チェーンリングを付けてある。これは、山岳地帯に入った時に使う非常用のリングで、その非常の際は自転車から降りて手でチェーンを落とす、という運用をしている。嘗て「変速機を使うのは女子供だ。」といったツールドフランスのディレクターに敬意を表してこの使い方を用いた(ウソです)。衝撃で勝手にチェーンがインナーに落ちる時もあり、それを意識してやろうと試みたこともあったが、ムリだった。

シングルスピードMTB選手権に出た際、一度取り外したディレイラーをもう一度組み付けるのが面倒だったのでそのままにしてるというのが本当の所だ。ちなみに、前後のどちらかを一枚ではなく二枚にして手でチェーンを入れ替えるという形式(?)は「ディングル」というらしい。シングルスピードに順ずる潔い(?)やり方だと思う。


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さて、気づくと良くわからない方向に行きつつあるEscapeの改造だが、よく考えるそれほど間違った話でもないように思う。

というのも、オンロードではロードバイクに勝てない、MTBのようにオフロードを走れない中途半端な立ち位置であるクロスバイクが、逆にその中間的な性質を生かしてシクロクロスの方向に行くのは正常な進化の方向ではないかと思えるからだ。

実際、町乗りや重い荷物を載せたツーリング、あるいはトレイルも走れるシクロクロスは、近年レースユース以外にも売れ行きを伸ばしているそうだ。

使っていないクロスバイクを持っているなら、シクロクロスのタイヤを履かせるだけで、そのフィールドは大きく広がる。個人的にはそんなシクロクロス化を皆さんにオススメしたいと思っている(パンクのリスクも減るしね)。



次回は、このちょっとカオティックなEscapeの現時点をインプレしたい。





2012-09-13

Bike Spec 1 - Pro-Lite Espresso (Impression)

今回はPro-Lite Espressoのインプレ編。

題名を英語にしてるのは、だんだん日本以外からのアクセスが増えてきたので、その配慮。日本語はわからなくとも、スペックなんかは詳細に書いておけば参考資料として使えると思うので、今後も出来る限り詳しくに書いていきたいと思う。


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さて、パーツ構成が違うので多少の違いはあるが、Bike RadarにEspressoのレビューがあった。5段階で3という割とヒドイ評価だ(笑)。

bike radar impression : pro-lite espresso

他人の評価はさておき、ここからは自分で乗ってみた感想を書くが、自転車の前に自分のスペックを公開しておく。

Personal Spec (2012/09):
  • Weight: 64.5kg
  • Height: 169.5cm
  • Ride Style:  commuting(everyday), long ride(1,2 per month), race (jcrc F class)

快適性
太いアルミの形状から予測されるように、このフレームは硬く、振動吸収性が悪い。そのネガティブを緩和する為に、チューブラータイヤやカーボンシートポストを使っている。

タイヤはVittoriaのRallyかStrada。自分のスペックでも書いたがこのバイクは通勤で使っている為、高価なタイヤは使えない。安いタイヤとはいえ、メーカー推奨値を下回る3.5-4barの空気圧で乗っているからか、快適性は思ったほど悪くない状態だ。エアロ形状のフレームには似合わないが、ロープロリムのネメシスを使っているのも振動吸収に一役買ってる。

カーボンシートポストは微振動を軽減してくれるが、エアロ形状の為それ以上の仕事はしない。

意外なことにアルミフォークのMuramasa Bladeはかなり柔らかいフォークで、大きめの凹凸がある場合は「ベコン!」と一度衝撃を受けた後は振動を収束してくれる。但しこの柔らかさはネガティブな面もあって、レースの高速な下りコーナーなんかでは完全にアンダーステアで外の飛び出しそうになってしまう。これは元々町乗り用に設計されている為、仕方ないかもしれない。アルミ=硬い、というイメージは捨てて薄さでチェックする癖を付けようと思う。

総評として、アルミチューブは縦に太いので快適性は低いかと思っていたが、思ったほど悪くない。前傾のエアロフォームで乗っている時は、サドルへの圧力が少なくなる為、後ろの突き上げも軽減されるという面もあるかもしれない。

剛性
いわゆる、「踏めば踏むだけ進んでくれる」というアルミならでは乗り味。好感触。

ただし、このバイクに採用したフォークは柔らかい為、斜度のある坂道をダンシングで踏みまくるようなシーンではバネみたいにグニャグニャになってしまう。きれいなペダリングで加速していく、という方向性がいいと思う。純正のカーボンフォークを使ったら、また感想は変わってくるだろう。

空力
前傾なエアロフォームで踏んでいくと、時速35キロ前後から効果があるように感じた。ディープリムのホイールなら、更に効果があっただろう。

ただし、これは無風の時の話で、横風には弱く、いつも体を帆船の帆のようにイメージして風を受け流している。前以外からの風はあるのが当たり前で、前方向だけに有効なエアロ形状っていうのもどうかと思う。

ちなみに、どのTTフレームでもそうかもしれないが、そもそも空気抵抗の90%がライダーの体の面積であると考えると、チューブの形状よりしっかりエアロフォームのポジションが出せるかどうか?ということの方が重要そうだ。

重さ
重い。踏み出しは決して軽くは無いが、スピードに乗ればそれほど気にならない。重さがネガティブな要素になるのは、ヒルクライムか輪行する時くらいだろうか?

とはいえ、軽量化していくこと自体は良い方向性だと思う。シートポストは通常の太さ( 27.2mmとか)でカーボンのもの、ホイールやハンドルもカーボンに変えることによって、軽さと同時に快適性を向上させることも出来そうだ。

塗装の強さ
クリアがガラスのように硬く粘りがないので、金属が当たると割れるような傷が残る。輪行時にはホイールのスプロケが当たらないように養生するなど注意が必要だ。

総評
価格が安く、剛性が高いのでよく進むバイク。時速40キロをオーバーした辺りで巡航できると気持ちいい(そんなに長く踏めないけど)。Bike Radarでは3という評価だが、パーツ選択次第では3.5-4位に評価を上げてもいいと思う。というか、今売っている殆どのフレームはパーツ選択でネガティブな要素を大きく減らすことが出来る。日本国内では高価になってしまうカーボンパーツも海外通販系では安価に仕入れられることだし。

日常の足として、またレースやイベントで酷使し続ける場合、安価で金属製のフレームは安心感があると思う。乗りたおしてナンボのバイク、というのが結論である。


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最近、元々問題があった股関節、特に左の脚の付け根痛が悪化して接骨院に通っているが、その中で自分の筋肉の質が、普通より柔らかすぎると指摘された。自分では硬い筋肉だと思っていたので少々驚いてしまった。柔らかすぎて、衝撃には弱かったり、関節の可動部が故障しやすいようだ。

そんなことを考えると、単純に剛性だけを考えるのではなく振動吸収性やウィップを効かせたペダリングなど、筋肉の柔らかさを生かした乗り方が出来るバイクの方がいいかもしれないと思い始めた。今年からはシクロクロスをはじめたのでなおさらだ。

次に新しいバイクを購入する際は、そんなことを考えながら選択していきたいと思っている。但し、有名なメーカーのバイクは他の人がほっといてもインプレするだろうから、普通の人がチョイスしないものを狙って行くつもりだ(次は中華いってみようかな?)。

乞うご期待(おそらく来年頃)。