自転車☆妄想日記: Bike Spec 2 - Giant Escape R3 (Assemble 2nd)

2012-09-17

Bike Spec 2 - Giant Escape R3 (Assemble 2nd)

次回は現時点のインプレ、とか書いておきながら、今回はもうちょっとescapeの改造の経緯について書いておきたいと思う。

escapeの改造については既にたくさんのブログで語られており今更新しいことはないが、これだけ違う方向性で改造され続けたケースも珍しいと思うので、参考までに書いておくことしようと思う。

では、時期毎にまとめて書いていくことにする。



----------


●第1期・ドロップハンドル化

自分の場合、買ってすぐにドロップハンドル化したくなってしまったので、早速escapeのwiki等を読み漁ってドロップハンドルに改造した。

ドロハン化の場合、ブレーキがキモで、選択肢はざっくり以下のものがあると思う。

  1. ドロップハンドル用ブレーキレバー(STI含む)を導入して、カンチブレーキ
  2. ドロップハンドル用ブレーキレバー(STI含む)を導入して、ショートVブレーキ
  3. ドロップハンドル用ブレーキレバー(STI含む)を導入して、トラベルエージェントで引き量を調整して、Vブレーキ
  4. ドロップハンドル用Vブレーキレバーを導入して、Vブレーキ
自分の場合、4の方向で改造を行った。この場合、シフターはWレバーかバーエンドシフターのどちらか選ぶことになるが、自分の場合はバーエンドシフター(フリクション)を選択した。これは、リアディレイラーを自由に変更出来るようにするためだった。実際にこの後、ディレイラーは純正のSramから、Deore、105と変更していった。

ドロップハンドル用Vブレーキレバーは、多くはないがシクロクロス用としてリリースされていたようだ。
ダイアコンペ・テクトロ・ケーンクリーク等から販売されているが、現時点ではテクトロのものが入手しやすいだろう。ちなみに、改造当時はテクトロが手に入らなかった為ケーンクリークのものを買ったが、レバーのカバー以外は全く同じ製品だった為、テクトロがOEMだったと思われる(そしてケンクリの方は異常に高かった!)。

この時期に、手元以外のコンポ、ディレイラーやクランク等は105に順次変更していき、最終的には10S化を果たした。また、ホイールの手組みにも手を出しはじめて、Mavic Open Pro + Ultegra Hubで組んだホイールにリプレイスしている。

乗り味としては、硬い、の一言に尽きる。フォークもクロモリの割には衝撃を吸収することはなく、バックの三角形は路面の凹凸に忠実に跳ねる。とはいえ、手組みホイール導入以後は多少振動は緩和され、手組みホイールの良さを知ったのもこの頃だった。



●第2期・シクロクロス化

ポジションがアップライトにならざるを得ないなど、クロスバイクのドロップ化は結局ロードとして中途半端な結果しか得られないと悟った自分は、クロスバイクの購入一年後にロードバイクを新たに購入した。

それがFeltのF1だった。このフレームはカーボン素材特有の振動吸収性はあったものの、非常に硬いスプリンター向きのフレームだった。流用できるパーツはほぼこちらに回し、一旦escapeは分解されることになる。

さて、ロードは手に入ったし、このescapeはどうしようか?そう思った時にめぐり合ったのが以下のサイトである。




そうか、シクロクロスっていう手があったか!

escapeのシクロクロス化は非常に簡単である。タイヤをシクロクロス用のブロックタイヤに変えるだけでいいのだ。リアはMTBディレイラーを使い、フロントはディレイラーなし、タイヤはシクロクロス。現在のスタイルの基本になったのはこの時期だ。

しかし、FeltのF1は半年ほどで盗まれてしまい、レースの際はescapeにスリックタイヤを履かせて出走するといった運用を余儀なくされた時期でもある。まあJCRCでよく使う修善寺CSCや群馬CSCはアップダウンが多いので、それほど不利ではないけど。


●第3期・ディスクブレーキ化

ディスクブレーキ化の動機は前回に書いたが、それだけが動機ではなく、ディスクブレーキについて知っておきたかったというのがある。個人的に、今後はスポーツ自転車はおおよそディスク化していくだろうと思っている。

ディスク化のメリットはいろいろな場所で書かれているが、もう一度整理してみたい。

  • 制動力の向上
  • 雨・雪・路面状態の影響を受けにくい(タイヤより高い位置にあるため)
  • リムの形状を自由に設計できる(リムをブレーキで抑える必要がなくなるため)
  • (油圧に限り)少ない力で制動力を得られる
一般的に云われているのはこんな所だろうか?それに加えて、自分は以下のメリットを感じている。
  • 組み付け・調整が他のブレーキより簡単
  • 急制動がしやすい
組み付け・調整については今回導入したメカニカルディスク(ワイヤー式)に限ってのことだが、非常に簡単だ。台座に取り付けた後の、センター出しのやり方は以下の通り。
  1. ポストマウント取り付けナットを緩める
  2. ブレーキレバーを引いたまま、上記のナットを締める。
  3. 何度かブレーキレバーを引いて、キャリパーのセンターが出ているか確かめる。
これだけである。正直、調整のテクニックは一切いらない。しっかりねじを締められれば問題はないのだ。それに比べて、キャリパーにせよ、Vブレーキにせよ、パッドの位置の調整だとか、左右のクリアランスの調整やワイヤーの取り回しに無理が無いか?だとか、ある程度の経験が必要になるがディスクに関してはその一切から開放される。

インターナショナル台座のみ対応のディスクキャリパーはセンター調整が面倒だが、最近のものはポストマウント台座と両対応のものが多く、これであれば調整に迷うことは殆ど無いはずだ。詳しい話は是非ディスク台座の規格について検索して調べてほしい。


もう一点の、急制動について。

ディスクの場合、すこしずつブレーキしていくと、その強弱に従って忠実に制動力が加減されていく。いわゆる「じんわりブレーキを握りこんでいく」というブレーキングがやりやすいのだ。それに対して、キャリパーやVブレーキだと少しずつ制動力を加減していくのがディスクに比べて難しい。スピードコントロールに関してはディスクの方が優れているというのが自分の結論である。そしてその扱いやすさの向上は事故発生率の低減に直結しているので、個人的にはもっとディスク化の方向に向かってほしいと思っている。

ディスク化のネガティブな面については重量があるが、これも将来的に軽量化されていくだろう。ローターの径の小さくすることによってキャリパーの大きさも小型化されるだろうし、そもそも違う素材を使っていくという手もある。UCIのルールでマスドロードもディスクブレーキが許可されるかどうかがキーになるだろう。


----------


さて、ディスクブレーキの概論はともかく。escapeのディスク化について。

フロントに関しては、ディスク台座付のフォークに取り替える必要がある。今回のケースでは、台座付カーボンフォークを使ったが、安価に済ませようと思ったら、台座付のアルミフォーク(おおよそ1万円以下)もあるので思ったよりもにコストは掛からない。シクロクロスフォークのカテゴリでは選択肢は少ないが、MTBで29'対応のリジッドフォークまで含めれば選択肢には困らないだろう。

また、Vブレーキレバー用のメカニカルディスクはラインナップが豊富で問題ない。但しSTIでドロップ化した方はキャリパーブレーキの引き量に対応したものを選ぶ必要があり、選択肢が狭いので注意すべきだろう(Avid、シマノに対応した製品がある)。ちなみに、昨今のディスクシクロクロスの完成車はAvidのメカディスクの独壇場である。

問題はリアのディスク化である。これを実現しようとすると、コストが高くついてしまう。ポン付けのディスク台座(A2Z ユニバーサルディスクマウント)も存在するが、エンド形状の都合上、escapeには取り付けることが出来ない(実際に確認済みw)。

そうなると、溶接でディスク台座を後付けするしかない。これも閾が高くて、アルミフレームに台座を溶接してくれる業者さんは数えるほどしかいない。溶接代はおおよそ2-4万ほど、その上溶接した箇所は塗装を剥がさないといけないので、その部分だけ再塗装をする必要がある。等々・・・

そういったわけで、さすがに自分もリアのディスク化は手を出していない。将来的にいい方法が浮かんだらやるかも知れないが・・・(例えば、アルミのロウ付けで強度がでるなら自分でやるかも知れない)。


----------


後半はディスクブレーキで紙幅を費やしてしまった。ただ、escapeの改造でディスクブレーキについて書いてるブログも少ないのでそれも良いかと思っている。金銭的に余裕が出来たら、リアのディスク化もやるかもしれないので期待しないで待っていてほしいw

それはともかく、escapeの改造もシクロクロス方向で固まりつつあり、これからはこの方向で熟成していくだろう。そして、最近は本格的にシクロクロスのレースにも参戦し始めているので、新しいフレームを買いそうな勢いだ。そうなったら、今度はディスクブレーキ+シングルスピードっていうのも面白いかもしれない。


次回こそ、インプレ編をやる予定。

0 件のコメント: