自転車☆妄想日記: 自転車と健康 - 旅情編 cycling & health - Sentimental Journey

2012-10-11

自転車と健康 - 旅情編 cycling & health - Sentimental Journey

旅に出よう。


そう思ったのは、クロスバイクを買って半年も経たない頃だった。東京から神奈川、千葉辺りに何度か足を伸ばして近場のライドでは「冒険」感覚が薄れはじめた折、石川県に移り住んだ先輩から来た一本のメールは、旅に出るにはうってつけのキッカケだった。

そうして、夏休み一週間で東京から石川まで往復する自転車旅行のプランをたてた。当初の予定は二日で石川に到着・能登周りで一日・帰り二日という、今から考えるととんでもないプランだった。そして走り始めると、プランは大幅に修正を余儀なくされた。

その当時は肉体労働から長く遠ざかったメタボ全開の体だった為まるで走れず、そんな体ゆえに一日一日と体力を削られて、最後の方は時速20キロで走るのがやっとという最早ママチャリレベルの速度までに堕ちていた。

さて、単なる旅行記ならその無謀な行程を面白おかしく描くべきところだが、今回は行程の最終盤、5日目からの話をしたいと思う。何故なら、今回のテーマは「自転車と健康」だから。


-----------


早朝、飛騨は白川郷の宿を発った僕は、山梨に向かう途中、天生峠・飛騨から奥飛騨への長い登り・阿房峠などの登りラッシュですっかり脚を使いきり、予定より大幅に手前の長野の塩尻市の健康ランドで宿を取ることにした。

健康ランドのうまくない食事を取り(失礼)、そそくさと休もうとした僕に襲い掛かったのは激しい下痢だった。その夜は下痢に悩まされ、殆ど睡眠をとることが出来なかった。それがまさしく「悪夢」の始まりだった。


-----------


翌日、全く疲れの抜けないまま出立。体の異変に気付いたのは、パンクの修理中のことだった。

体が重い・・・・・。

前日はあまり寝ていないし、腹の具合だってよくない。それは重いはずだろう、なんて思いながら自転車に乗ろうとするが、乗れない。前日までとは違い、まるで気力は沸かないし、頭はガンガン痛い。一体どうしちまったんだ、僕は。

もしや、ハンガーノックか?いや、水分も栄養もしっかり取っているハズだ(←昨日の下痢のことを忘れているw)、これは一体・・・・?

その内、歩くのも辛くなってしまい、結局近くの病院へ直行。そして、医者の診断は「重度の疲労と脱水症状」だった。その日は一日中、生理食塩水を点滴され、しかもその間は水を口から飲ませてもらえず、乾きと餓えと倦怠感の中で、ただ診察室のベッドに横たわっていた。

病院から開放された後も自転車に乗ることも出来ない位衰弱していたが、運よく近くにあった家族経営のビジネスホテルに泊めてもらった。食事をする気力もなかったが、僕の哀れな姿を不憫に思ったのか、ホテルの方が自家栽培のきゅうりとブドウ(ここら辺が長野・山梨っぽいね)をおすそ分けしてくれた。それを無理矢理食べて、僕は倒れるように眠った。

翌日、多少回復した僕は輪行バッグを持っていなかったので、仕方なく自走で帰宅。ほぼ下り基調だったから可能だったが、往路のような厳しさだったらまた倒れていたことだろう。なにはともあれ、なんとか帰宅できたのは幸いだった・・・・。

----------


さて、今回のポイントは「脱水症状」である。何故僕は脱水症状に陥ってしまったのか?

初心者とはいえ、ハンガーノックの恐ろしさは本で読んで知っていた為、かなりの量の水分は補給していたし、塩分についても基本的に飲み物はスポーツドリンクにする等、ケアはしていた。それでも脱水症状に陥ってしまったのは、後から考えると幾つかの要因があった。


(1) まず、水分補給は、ペットボトルでがぶ飲みしていた。

 炎天下だと、これは思わずやってしまうことではないだろうか?しかし、これがまず第一にいけない。水分補給は、「少しずつ(二口三口位)、高い頻度(15分毎位)」で行うのが大原則だ。それは、水分は補給してから体が吸収するまである程度時間が掛かってしまうからだ。

この辺りは、セルフコントロールが必要になってくるが、呑みたい呑みたくなに係わらず、時間と量を決めてしまうのがいい方法だと思う。実際、僕の場合このやり方を取り入れてから、脱水症状になりにくくなったと思う。

余談だが、鼻がよくない人は口呼吸が増えて喉が渇きやすくなる為、水分補給が多めになりやすいので注意が必要だ(←経験談)。


(2) 水分以外のものを、あまり取らなくなった。

疲労がたまってくると、食欲が無くなってしまう場合がある。こういった状態で水分だけ補給しつづけると水分だけが腹にたまってしまい、「下痢状態」に陥ってしまう。こうなると、水分が体にとどまる時間が短くなり吸収出来る分が減ってしまう上に、折角摂取した少ない固形物も同時に流れてしまう。5日目の夜は、まさにこういった状態だったと思う。

対策は、「いやでも固形物を喉に通す。」 自転車旅だと、どうしても食事のサイクルがルーズになりがちで、食べたい時に食べないというのがまた食欲の減退を引き起こす。三度の食事とその間の補給は、水分と同じで「規則」を作って計画的に摂取するのが対策として有効だ。


(3) 発汗しすぎ。

この当時は記録的猛暑で、特に通過した甲府と長野はタイヤが道路に焼け付きそうな暑さだった。そんな暑さの中だから汗をかくのは当然だが、発汗を減らす努力は出来る。

例えば、肌に直接水をかけることによって熱を奪えばその分発汗量は減る。また、運動量を意図して落とせば体の発熱量が減るので、その分も発汗が減るだろう。そんな日は頻繁に日陰で休憩を取ってもいだろう。走っている間も、首筋はタオルなどガードしたり、日差しが強い時は敢えてウィンドブレーカーで両腕を直射日光から守るのも効果的だった(その場合はウィンドブレーカーのファスナーは勿論全開だw)。


-------


等々、知恵を絞れば、脱水症状を防ぐことは可能だと考えているが、これ以外でもっといい方法や対策がきっとあるだろう。機会があれば、プロの人や自転車歴ン十年の方々にそういうことをどんどん聞いてみたい。

そういった中で、新しい発見があり次第、随時またブログにアップして行く予定だ。乞うご期待。
















0 件のコメント: